自転車のギア考察(外装6段ママチャリとClarisの比較)

ロードバイクの最適なギアって

ママチャリからロードバイク(ソノマアドベンチャーというグラベル/アドベンチャーロード)に乗り出してすぐに、「ギアが6段から16段(2x8)に増えたけど、どのギアで走るのが良いのだろう?」と疑問に思ったので、当時、ギアと最適な速度について計算したことがある。その後、その計算と考察もあり、すんなり自分なりのギア選択というものが見つかった。

ソノマアドベンチャーのドライブトレイン

そこで自分なりのギアと速度の関係が明確になったおかげで、このソノマアドベンチャーに乗り出して1年以上が経ち、自分なりのギア選択がすっかり板についた状態となっている。今回のエントリーは、自転車に乗り出して「ギアってどうするのが良いのだろう?」と思っている人の参考になれば嬉しい。

自転車のギア比と速度の関係

まず、自転車の速度は次の情報から計算することができる。
  1. フロントギアの歯数
  2. リアギア の歯数
  3. タイヤの外形サイズ
  4. ペダル(クランク)の回転数(1分あたり)
1〜3は自転車の情報で、4が乗る人がコントロールできるパラメーターである。

速度の計算は、タイヤが1分間にどれくらい回転するか、タイヤ1転がりの距離はいくつか、この2つを掛け合わせれば時速が求められる。式で書くと、

(自転車の時速) = (タイヤ外周長さ)x(1分間のタイヤの回転数)x60分

タイヤをどれくらいの勢いで回すか、というのがポイントになるのだけど、直接タイヤを回しているわけではなくて、人はペダル(フロントギア)を回して、そこからリアのギアを回すことで、タイヤを回すという構造になっているため、ここでギアの歯数が関係してくる。

(1分間のタイヤの回転数)= (ギア比)x(1分間のペダルの回転数)
(ギア比)=(フロントギアの歯数)÷(リアギアの歯数)

ギア比

ギア比とは、2つの歯車の比率のことで、歯車比とかギアレシオなどともいわれる。別に自転車用語でもなんでもなく、自動車のドライブトレインでも使われる一般用語だ。
自転車の場合「フロントギアの歯数÷リアギアの歯数」で計算し、ペダル一回しでタイヤが何回転するか、という意味の数値になる。

自転車通になると、どうやらギア比でいろいろ語るようになるようだ。(ネットで情報を漁っていて感じた)私のように完成品の自転車に乗る場合は、あまり気にしなくても不都合はない。しかし、自分でギアの歯数を変更したり、自分でパーツから自転車を作り上げる場合には、自分の用途・脚力に合ったギア比をしっかり考える必要があるのだろう。

現在主流のコンパクトクランク50T-34T搭載
SHIMANO Claris FC-RS200

27インチのママチャリのギア

まずは愛用中の外装6段の27型のママチャリを例に、より具体的な数値で計算してみよう。
  • タイヤ外周 :2.169m
  • フロントギア歯数:44枚
  • リアギア歯数:28/24/21/18/16/14
つまりギア比は、割り算すると「1.57/1.83/2.10/2.44/2.75/3.14」となる。

一番軽いギアの場合、ペダル一回転で、タイヤが1.57回転する、一番重いギアの場合は、1回しで、3.14回転となる。

速度が出ている時に、ギアを軽くするとペダルが勢い良く「くるくるー」っと回ってびっくりすことがあるが、これもギア比が小さいからタイヤの転がりに対してペダルがいっぱい回るのである。

ママチャリの6段ギアのスプロケ「SHIMANO MF-TZ500-6」

ペダルを回すスピード、いわゆるケイデンスと呼ばれている回転数・速度については、一般的には90rpmが最も効率よく走ることのできるペースらしい。ここではこの90rpmという数値自体の議論はせずに、この数値を使って、ギアが1〜6段のそれぞれの場合の速度を確認する。
  1. 18.4km/h
  2. 21.5km/h
  3. 24.5km/h
  4. 28.6km/h
  5. 32.3km/h
  6. 36.8km/h
実際、このママチャリでは20km前後で走行することが多く、その時のギアは2段or3段である。基本2段にしていて、1段あげたり下げたり、という使い方をしている。

私が使っている安いサイコン(ママチャリにサイコンをつけた時のエントリー)にはケイデンスメーターは着いていないが、この指標となるギアごとの速度をなんとなく頭に入れておけば、どれくらいのケイデンスでペダルを回しているのかわかる。私の場合、ここに記載している速度よりちょっと遅いので、 このママチャリでのケイデンスは、80 rpmくらいだろうで乗っているのだろうとわかる。

ママチャリからソノマでも愛用中のコスパ最高のサイコン VELO9

クラリス搭載のソノマアドベンチャーのギア考察

こちらの仕様は、
  • タイヤ外周 :2.168m
  • フロントギア歯数:34/50T
  • リアギア歯数:32/28/24/21/18/16/14/12
ギアの段数が多くなって、フロントが2枚になり組み合わせが発生するのでママチャリと比較するとややこしくなる。

ロードバイクでは、2枚のフロントギアが一般的
このFC-RS200はシマノのエントリーモデル

先程と同様に、ギア比を計算しさらに90rpmでクランクを回した場合の速度を計算して、わかりやすいように、速度をグラフにプロットしてみた。
比較用に先程の外装6段ギアのママチャリも載せてある。

最も効率の良い 90rpmでクランクを回した時のギアごとの速度
街乗りでよく使う15〜30km/hのレンジには色をつけた

まず、このグラフからわかるのが、ソノマアドベンチャー(クラリス搭載車)のアウターとママチャリの6段は、似たようなレンジになっているという点。
そのため、ソノマアドベンチャーに乗り出してすぐは、ママチャリのギア感覚と一致するフロントアウター固定で、リア2〜4段というのをメインに使ってきた。

実際、今でもアウター固定で、2段で発進し3段で走行するという使い方が最も多い。この2つのギアだけで街乗りの80ー90%はカバーできると思う。

しかし、これでは面白くないので、積極的にいろいろなギアを使っていこうと、自転車屋さんのお兄さんにフロントとアウターってどんな感じで切り替えるもんなの?と聞いたことがある。
その時には、街中でも発進時はインナーで、速度が乗ってきたらアウターなんて使い方の人もいるよ、と教えてもらった。

フロントとアウターをうまくつなげる乗り方の場合は、このギアごとの最適速度表からすると、フロントインナーで3段→4段→5段とシフトチェンジしながら加速していき、アウターに切り替えると同時にリアを一気に2段落としてアウター3段に、という使い方になる。(下図の矢印)

インナーからアウターに移行する場合はリアを2段落とすとちょうど繋がりが良いことがわかる

クラリス(シマノのSTIレバー)ではシフトダウンする時、大きくストロークさせると「カチッ!カチッ!」と2クリック感があって、一気に2段変速ができる。インナーからアウターに切り替える時は、これをうまく活用すればスムーズにギアがつながる。

ただし、リアの変速はきちんと調整していれば、ほとんど音もなくスッっと気持ちよくきまるのでノーストレスなのだが、フロントはガチャン、とワンテンポ遅れる感じがある。あと、フロントはギアチェンジ時にトラブったことが何度かあるため、結局フロントギアを頻繁にギアチェンジさせるような使い方は、あまりやらなくなった。

ソノマアドベンチャーに採用されている クラリスR2000

もっと上のグレードのフロントディレイラーがついていれば、もしくはもっと上手に調整できればよいのかもしれないが、その辺は未知の領域なのでわからない。少なくともフロントは頻繁にギアチェンジしないのが、自分には合っている、ストレスがなくて良いかな、と感じている。

結局、1年以上ソノマに乗った今では、
  • 風向きが良い時は、アウター固定で、2段〜5段の範囲を。
  • 風向きが悪い時は、インナー固定で、4段〜7段くらいまでを。
という乗り方で乗っている。

というのも、フロントも意識して使ってやらないと、どうしてもアウター固定で、リアの2段〜4段を使うことが多い。それだと使っているギアが偏るので一部のみ消耗が早くなってしまう。これを回避するために、意識的にインナー固定で、リアの4段〜7段を使ってバランスよく消耗させたい、という思いから。

ギアが消耗品だなんて、ママチャリだけに乗っているとまったく意識しないが、ロードバイクの世界観では、フロントギア(チェーンリング)もリアギア(スプロケ)も消耗品らしい。走行距離では2万キロくらいが目安のようだ。

そして、今使っているフロントギア・クランク部分は、交換する時に、ちょっとグレードアップさせようと思っている。

そのうちにと、狙っているFC-R2000

同じクラリスでもFC-RS200からこのFC-R2000に交換するときは、実はBB(ボトムブラケット)も交換する必要があるようだが、まとめてやってやろうと計画中だ。

FC-RS200 :スクエアテーパー式
RC-R2000 :ホローテックII

1年で、5000キロくらい走ったようなので、2万キロまではまだ数年かかりそうだが、交換した際にはここで紹介したいと思う。

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