ママチャリのフロントブレーキをデュアルピボットブレーキへ交換(TEKTRO 810A)
ママチャリのフロントブレーキ強化
ずっと不満だったママチャリのフロントブレーキを強化するために、ネットですこぶる評判の良い「Tektro製の810A黒(BR-TK-M001)」というデュアルピボットブレーキに交換した。交換前の経緯(不満点)と、実際の交換の手順を記録しておこう。TEKTRO 810A Front Black (BR-TK-M001) ママチャリのデュアルピボットブレーキの代名詞モデル |
購入前にディメンジョンを確認
ブレーキ本体を交換をする前には、まずはディメンジョンと呼ばれている長さを確認する。ディメンジョンとは、ブレーキの固定シャフト部〜ブレーキシューまでの距離のことで、この長さによって交換するブレーキが変わってくる。テクトロのデュアルピボットブレーキの場合、800/810A(61-78mm)か900/910A(72-92mm)か、という具合だ。私のママチャリ(普通の27インチ軽快車)は、70mmくらいだったので、61-78mm用の810Aがバッチリ合った。通常のママチャリの場合は、800A/810Aということだろう。ディメンジョンの測定箇所 |
ママチャリのフロントブレーキへの不満
愛用中のママチャリのブレーキは、フロントがシングルピボットのキャリパーブレーキで、リアにはローラーブレーキがついている。リアについているローラブレーキは、そもそもガツンと効くタイプのブレーキではないから仕方がないとして、フロントブレーキは効きが頼りないなぁと、ずっと不満だった。特に急な下り坂などでは、かなり強く握り込んでも、なかなかピタッと止まることできないのが怖い。クリアランスを調整しても、すぐ傾いて片当たり(片側がリムに接触してしまう)の状態になるので、クリアランス調整もシビアには追い込めない。要は、制動力不足と、片当たりしやすい構造の2つの点に不満があった。
もともとついていたママチャリによくあるタイプのフロントブレーキ シングルピボットのキャリパーブレーキ |
ディスクブレーキのついたソノマアドベンチャーと比較して効きが悪いのは、仕方ないと思っていたのだけど、子供乗せ用の電動自転車(ヤマハのPAS Babby Un)に乗るようになって、ママチャリでもしっかりブレーキ効くやつがあるじゃないか!とびっくりしたものだ。こいつは、軽〜いタッチにもかかわらず、とてもよく効くのである。
ヤマハ PASバビーアン のフロントブレーキ ブランド名は書いていないがTektro 810Aと同じ作り Tektro製の同等品と思われる |
なんでこんなに違うのだろうとブレーキを観察してみると、ブレーキを握った時の本体の動きが違うことに気づいた。(2年前から自転車に乗り出して自転車ネタの記事なんかも書いているが、もともとは自転車通でもなんでもない)
- シングルピボット(片当たりしやすい、制動力が弱い)
- デュアルピボット(クリアランス調整がしやすい、制動力が強い)
ネットで調べるとこのTEKTROのデュアルピボットブレーキは1,500〜2,000円くらいで、性能がかなりアップするらしいので、それならば!と交換してみたわけだ。
ブレーキの交換前に完成車の状態を確認
購入して届いたブレーキとヤマハのPASバビーのブレーキを比べると、メーカー名が入っていなかったり、ワイヤの固定位置が左右で逆だったりと細かな違いはあるものの、基本構造や部品は共通のようだ。同じTEKTRO製のものなのであろう。交換作業に入る前に、完成状態を確認しておくために、いろいろな角度から観察しておいた。真横から確認 |
ブレーキと車体の間に挟むスペーサーだったり、ブレーキの軸と泥除け部分が共締めされているのが確認できる。この当たりはシングルピボットでもデュアルピボットでも大差ない。
反対側斜め前方から 紫丸印のネジで左右のクリアランス調整が可能 |
デュアルピボットブレーキには、左右のアーム位置(ブレーキシューのクリアランス)のバランスを取る調整ネジがついているため、左右のクリアランス調整がやりやすい。もともとの構造のおかげで片当たりしにくいうえに、バランス調整までしやすいのだ。
ブレーキの裏側・バネの部分の構造 バネとアームの当たりにはグリスが塗布されている |
交換前に、ママチャリとこのPASバビーのブレーキを比較することで、どこを外していけば良いのか確認できたので、スムーズに作業が行えた。
ママチャリのブレーキシューの交換
今回は、ブレーキ本体を交換したのだが、まずはブレーキシュー(ホイールのリムに当てるゴムの部分)を交換する方法を紹介。実はこれだけでも制動力のUPは可能らしく、なんといってもお手軽である。ブレーキ本体と違って、ブレーキシューがすり減ってきたら、交換・メンテナンスが必要なる箇所でもある。
ブレーキの制動力UPだけを求めるなら、まずはブレーキシューを交換してやるのが手だ。(片当たりも改善したかったので私は本体ごと交換した)
水色の1箇所:ブレーキシュー交換 紫色の2箇所:ブレーキ本体交換 |
ブレーキシュー交換は、すごく簡単で「水色丸の部分を1箇所外してシューを交換する」だけだ。
もともとついていた頼りないブレーキシュー まだまだ使えそうなので、外して一応保管しておくことに 刻印されていた「KBT」dで検索したが正体は不明 |
ブレーキシューを交換するときは、自分のホイールがアルミ製かステンレス製かで、ゴムのタイプが変わってくる。どっちかわからない場合は、磁石がくっつくかどうかで確認できるだろう。私のこのママチャリはより一般的なアルミ製で磁石がくっつかないタイプ。(ステンレス製のほうが高価らしい)
ママチャリ用のブレーキシューでは、この赤色のBAA対応のものがコスパがよく人気
これだけでも制動力は、かなり改善するはずだ
ブレーキ本体の取り外しと交換
続いて、やっと今回のメインのブレーキ本体の交換。ブレーキ本体を外すときは、まずはブレーキワイヤをブレーキ本体から取り外す。紫色の2箇所でワイヤとブレーキ本体は分離ができる。ブレーキワイヤを外すのは、紫色の2箇所で |
ワイヤと本体が外れたら、次はブレーキ本体を外す。本体は1箇所で止まっているだけなので、これも簡単。
ブレーキ本体はここ1箇所 ハンドルを左右のどちらかにぐいっときってやると作業がしやすかった |
これで、ブレーキ本体が車体から外れた。ブレーキシューを交換しなければ、ワイヤ2箇所と本体1箇所の合計3箇所のネジ・ナットを外すだけなので、かなり簡単な作業だ。
ブレーキ本体の比較 左:デュアルピボット 右:シングルピボット |
ブレーキ本体を並べて見比べると、腕の剛性感が全く違う。これらがブレーキの制動力の差としてでてくるのだろう。
裏側 バネの部分の比較 |
取り付けは、取り外しを逆にたどれば良いだけで、特に難しい箇所はない。
今回は、唯一ちょっと手間取った箇所があった。ブレーキワイヤーのエンドキャップは替えを持っていなかったので、ワイヤ固定部分のネジは完全に外さずに使いまわそうと思っていた(エンドキャップを外したくなかった)のだが、1箇所ネジのシャフト部分の形が異なっていて、思惑どおり行かなかった。(Tektroの810Aは、回転防止の凝った形状になっていた)
ワイヤ固定のネジの箇所は再利用したかったけれど形が合わず断念 |
この部分だけ思惑どおり進まなかったが、ここ以外はとてもスムーズに作業できた。
もともとついているブレーキがシルバーだったので、交換するブレーキも810Aの黒ではなくて、シルバーにしようかなと思ったりもしたのだが(Tektroの810Aはシルバーと黒の2色)、PASバビーについていた黒のカチッとした雰囲気が好みだったため、黒を選んだ。
だれも他人のママチャリのブレーキなんて見ないだろうが、見た目の仕上がりも満足だ。
交換後(エンドキャップ装着前) 黒くてガッチリし頼もしい感じになった |
ブレーキワイヤがほつれてきたりしたら嫌なので、後日、ワイヤーエンドキャップを購入し追加して完成。ブレーキに合わせて黒のエンドキャップにしておいた。
10個入りで100円くらい |
肝心のブレーキの効き具合は、前評判通り明らかに強くなった。
ただし、ガツンと効く感じではなく、ぐーっと効き始めて握れば握るほどリニアに制動力が強くなっていく感じ。
これまではいくらブレーキレバーを握っても、急な下り坂では減速するもののピタっと停まれなかったものが、同じ場所で試したところ、ぐーっと減速しピタっと停まれるようになっていた。この制動力の差は、アーム剛性の差なのだろう。
あとは、クリアランス調整が格段にしやすくなって、片当たりもしなくなった。さらにブレーキの引きが軽くなったの好印象だ。
このように概ね満足しているものの、実はヤマハPasバビーアンと比べるとまだまだ制動力が弱い。これはブレーキシューの性能が違うためだろうと思っている。
交換後は、もともとの不満は解消されたので、しばらくはこの状態で乗りつづける予定だ。ネットの口コミでは、テクトロ800A/810Aに付属でついているブレーキパッドは性能がよくない、という口コミもちらほらあったので、ブレーキシューが減ってきたら、先程紹介した赤いBAA対応のものに交換しようとも思っている。
ママチャリのブレーキのデュアルピボット化の定番のテクトロブレーキ
ワイヤーのエンドキャップにはブレーキ用φ1.6mmとシフター用1.2mmがあるので間違えないように注意。
色もいろいろあるのでお好みで。
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