「ソノマアドベンチャー2019 700C」のファーストインプレッション

初めてのロードバイク

仕様や価格(税抜 ¥89,800-)からするとロードバイクとしては、なんとエントリーモデルになるらしい。ママチャリ感覚だとかなりの高級品だが。
なので、私のようにロードバイクとしての1台目に買おうかなと考えている人も多いと思う。

晩秋の夕暮れ時の公園と2019年のソノマアドベンチャー

今回は、人生初のロードバイクとして全くの自転車初心者の私が、100kmほど走ってみた時点での感想・インプレを記録しておこうと思う。

購入前に期待していた点

まずは購入前に新しく買う自転車に期待していたことをあげよう。
基準は今まで乗ってきたママチャリ、外装6段変速、前かご・荷台付きのクロス風シティサイクルなので、これと比較して
  1. より楽に早く走れる
  2. 街中での段差などの振動をよりマイルドにしたい
  3. ロードだからと気を使わずに気軽にどこにでも
  4. ギアチェンジをもっとスムーズにしたい
  5. スピードUPしやすくなる分、ブレーキがよりしっかり効いて欲しい
  6. ドロップハンドルでポジションが増えて腕を疲れにくくしたい
見た目がかっこよくなることなどを除けば、このあたりに期待していた。その期待に対してソノマアドベンチャーがどうだったのか?を順に記録していこう。

1.「ママチャリより早く走れること」 結果:◎

ソノマアドベンチャーは、グラベルロード、アドベンチャーロードと言われるジャンルに属していると思っている。しかしその中でもソノマは13kgもありかなり重たいロードバイクだ。とはいえ、約20kgのママチャリと比較すると多少の装備をつけた状態でも5kgは軽いだろう。
タイヤ幅は、ロードバイクとしては太めの35mmのタイヤを履いている。これは一般的なママチャリと同じ幅なので接地面の抵抗はそんなに変わらないだろう。

フロントフォーク周り
45mmタイヤがつくだけあって、35mmでも十分なクリアランスがある

期待値としては、平均5km/hくらい早くなればなー、と思っていたが、平地無風状態で結果は3〜5km/hくらいの速度UPという印象だ。今のママチャリもクロス風のシティサイクルでポジションを調整して軽い前傾姿勢で乗っていたので、ママチャリにしては早かったと思っている。劇的な変化とまではならなかったが、十分満足している。
  • ママチャリ:18km/h〜23km/h
  • ソノマ  :22km/h〜28km/h
特に、20km/hに到達するまでがかなり早い印象だ。そして、ちょっと踏めばすぐに30kmにも到達する。(あくまでママチャリとの比較なので、より走りに特化したロードバイクはもっとすごいのだろう)これは5kg軽くなった分なのかな、と思っている。

2.「快適性、段差の吸収力UP」 結果:◎

タイヤ幅が35mmで一般的なママチャリとほぼ同じ幅なので、ほとんど変わらないかもなぁと思っていが、そんなことなかった。段差での突き上げがものすごーくマイルドになった。元々のママチャリが耐パンクタイヤで空気圧上限近くまで入れていたというのもあるかもしれない。

700Cホイールには、ライトウェイ製の35mmのスリックタイヤが標準装備される

あとは、フォークが前傾していたり、材質がしなりやすいクロモリだったり、フレームによる差もあるのだろう。初心者の私には何のおかけげ乗り心地が良くなったかまではわからないが、思っていた以上に乗り心地が良くなったのは嬉しかったポイントだ。それだけで乗っていて気分が良い。
購入直前まで迷いに迷った650x45Bタイプだと、軽快さが犠牲になるだろうけれど、これより更に乗り心地が良いのだろう。結果としては、700x35Cでの乗り心地に、十分満足している。

3.「気軽にどこにでも」 結果:△

自転車自体はある程度の道はどこでも走れそうだ。この点は思っていた以上に心強い。しかし、ママチャリの代わりにこれでどこにでもいけるかというと、そうでもなかった。
購入後にロードバイクの鍵や盗難防止についてネットで調べた結果、駅の駐輪場やショッピングセンターの駐輪場は、かなり危険という情報を目にしたからだ。

これらで見かけたアドバイスにしたがって、鍵は2つつけているのだけど、近所の買い物に行って盗難されるのは嫌なので、ごく近場の買い物はこれまで同様、ママチャリで行くようにしている。
これは思わぬ誤算だった。ソノマ自体の性能が悪いわけではない。

鍵の一つはU字ロックを使用
乗る時は小型のU字ロックをハンドルにぶら下げている

鍵をどうするかはかなり悩ましかった。いろいろ調べた結果、メインのロックはPanasonicのU字ロックを使っている。使い勝手はなかなか良い。

4.「スムーズなギアチェンジ」 結果:◎

ソノマアドベンチャーには、シマノのエントリーモデル「クラリス」R2000が搭載されている。フロント、リアの変速機はもちろん、シフターと呼ばれるギアチェンジを操作する部分もクラリスで統一されている。これの操作が思っていた以上に快感で、うまく行った時なんかは音もせずにギアが切り替わる。なんともスムースでキモチイイ。

8段のスプロケとクラリス
シマノRD-R2000

ママチャリについていた外装6段変速のシマノ「ターニー」と比較するレベル差ではなく、全く別物、別次元といった感触だ。
ロードバイクのギアをスムースに切り替えながら加速し、道路状況に対応してギアを選択していくのは、MTの自動車を運転しているような楽しさがあることに気付かされた。

5.「ブレーキ性能のUP」 結果:◎

比較対象となっているママチャリについていたリアブレーキはローラーブレーキだ。しっかり握らないとなかなかブレーキが効かなく、下り坂では結構しんどかった。調整すれば印象は変わるのかもしれないが、ブレーキ性能はいまいちという印象だった。
これに対し、ソノマについているブレーキは「TEKTRO(テクトロ) MD-C400 メカニカルディスク+SHIMANOセンターロックローター」という組み合わせ。

シマノのディスクとテクトロの機械式ブレーキの組み合わせ

ディスクブレーキとしてはかなり安い組み合わせみたいだが、ものすごくよく効く(何度も言うけど、ママチャリ比較)。走行距離が100km超えてブレーキパッドがこなれてくるともっと効くようになるらしい。なんとも楽しみだ。
一方でブレーキが思っていた以上に効くので注意が必要とも思っている。ロードバイクに乗り始めて、一番注意が必要なポイントかな、とさえ思っている。

というのも、先日ヒヤッとしたエピソードがある。

道路沿いの車庫から車がなかなかの勢いで動きだしてきて、直進していた私が急ブレーキをかける場面があった。その時、後輪がロックしてスリップ。そのまま後輪だけが横に少々流れてしまった。倒れずになんとか体制は立て直せたのだけど、前後ブレーキを全く意識せずに両方のブレーキを一気にかけた結果、後輪がスリップした、という状況だ。初心者の急ブレーキにありがちらしい。

その後調べた結果、ロードバイクのブレーキの基本は前ブレーキ(7割)+後ろサポート(3割)くらいが良いことを学んだ。また、急ブレーキ時は、後輪がスリップしないよう、自分が前方に吹っ飛ばないように後ろに体重をかける、というテクニックがあるみたいだ。
基本的にそこまで飛ばして走っていない(というか走れない)が、それ以降ブレーキングは、前後のパワー配分を意識するようにしている。今は、練習中といったところだ。

6.「ドロップハンドルで疲れにくくなる」 結果:△

購入した店から家までの25kmくらいの距離を、練習がてらゆっくり走りながら帰ってきた。その時に感じたのが、思っていた以上に前傾姿勢になり、手に負荷がかかっているというもの。そして乗車後には体幹疲れている、というものだ。

憧れていたドロップハンドルは手と体幹がけっこう疲れる

こればっかりは自分が慣れるしかないか、と思っている。ママチャリに乗っていた時は、縦にドロップハンドルを握ってSTIレバーを操作する様にあこがれていたが、まさかここまで体幹に負荷がかかるとは思っていなかった。

あと、縦に握っていると下り坂のブレーキで手が滑って抜けそうになったりすることがあった。手が滑って吹っ飛ぶのも怖いのと、手の疲れ軽減のために試しに安いグローブを買ってみた。これから冬真っ盛りだが、指先の感覚は残しておきたかったので、とりあえず夏用の指先が空いているものをチョイス。滑らなくなったし、手のひらの痛みも緩和された。指先は寒いけど(笑

手のひら側にはクッション入り
黒のシックなデザインのもの

派手なデザインが多いの中、比較的シックなデザインで値段も1500円しないくらいもので探した結果、たどりついたのがこれ。まだ数回しか使っていないが問題なく快適に使えている。

ありがたい付属品

このソノマアドベンチャーというかライトウェイの自転車には、嬉しいことにペダル、センターキックスタンド、ベル、スマホホルダーなどの付属品がついてくる。

ペダル

ペダルには「Wellgo」「K79」と刻印されている。ブランド名と型番らしい。ネットで調べたところ、アルミ合金製で、重さは約390g。MTB用のペダルで、大きめでしっかりしたペダルのようだ。グラベルロードとして意識されてチョイスされている感じが好ましい。
ペダルのベアリングは、くるくる回る抵抗の少ないタイプではないが、アルミ製で安っぽさはない。今のところ、違和感はないのでこれを使い続けることにする。オレンジの反射板がついているので(個人的には安心なのでありがたいが)ママチャリっぽくもあるので、好みが分かれるところかもしれない。

付属品のペタル「Wellgo」の「K79」

センタースタンド

街乗りをメインで使うので、スタンドはつけておきたい。お店のロードバイク乗りのお兄さんが、センタースタンドは、挟み込んでついているだけなので、定期的に増し締めしてやらないと駄目ですよ、教えてくれた。

あると便利な付属品のスタンドを愛用中

お店のお兄さんいわく、センタースタンドもメリット・デメリットがあるので・・・と取扱につき、いろいろと教えてくれた。特にペダルクランクとのぶつかりは注意してください、と。確かにクランクとのクリアランスが少ないので、定期的にチェックが必要になりそうだ。

センタースタンドは、クランクとのクリアランスがあまり確保できない
(真上からみたら一応隙間はあいているが)

あと、自転車の取扱の説明をお兄さんから受けている時に、強風で倒れるのには注意してください、と念を押された。この自転車は、片側に変速機、反対側にディスクブレーキがついている。ディスクブレーキ側が倒れてディスクが曲がれば走れませんから、と。
これを言われるまで、そんな繊細な乗り物だとは思っていなかったので、ママチャリに挟まれるような駐輪場に止めるのはやめておいた方が良さそうと思った次第だ。
ちなみに、お兄さんのロードにはスタンドをつけていないらしい。なれてくると上手に立てかける技を活用するようで、いくつか教えてもらった。

ベルとスマホホルダー

ベルは道路交通法かなにかで規定されているため、装着が必須だ。付属のベルは、小さく可愛いデザインで、音も「チーン」と上品で心地よい。お店のお兄さんがステムに縦に付けてくれた。自分では、ここにつければ良いと思いつかなかっただろう。なかなか良い場所だ。

今は、ハンドルまわりは、AMAZONで買った安いLEDライトと、ママチャリにつけていたサイコン(白いのでちょっと浮いてしまっているが)をつけている。

真ん中が付属のスマホホルダー
金色の小さなのが付属していたベル

スマホホルダーを使ってみた感じは、iPhone6だと気分良く使えたのだが、iPhoneXRは取り付けられるけど、その重さと大きさのせいで、ガタガタした場所での安定感はイマイチだった。クリアケースをつけているせいもあるかもしれないが、iPhoneXRにはおすすめできない。

LEDライトは、街乗りではこれで十分。今のところ不満はない。商品説明では1000lmとアピールしていたが、これは100%ウソ。1000lmっていったらホームシアター用のプロジェクターとして使えるレベルの光束だ。バッテリー容量や連続使用時間から推測するとせいぜい200lmってところだろう。
高輝度モードで1Wで2灯のLEDを駆動させる、という感じ。今時のLEDの発光効率はせいぜい100lm/Wくらいだと思うので、2灯だと200lmくらいかな、という見込み。リフレクターで上手に集光させれば見た目には明るく見えるかもしれないが。
もともと、光束量は150〜200lmくらいかな、と思いつつ購入した。後ろ用に赤いランプも付属していたし、街乗りでは100lmくらいで問題なさそうだったので、まぁこれで良いか、と。

今の所、明るさ詐欺以外は問題なく、街中ならこれの暗いモードでも問題なく走れる。


サイコンは、ママチャリから外して移植。CATEYEのVELO9、有線式の安いやつで、色が白いため、チタングロスシルバーのソノマとはマッチしていないが、とりあえず速度が見えて時間が分かって便利なのでまぁ良いか、と。性能や使い勝手は全く問題ない。

総評

結局のところ、自転車自体には大満足。求めていた性能は十分以上に持っているものだった。

だが、買ってからいろいろ調べて怖くなったのが盗難と、どのように駐輪するのか。気軽な街乗りとして使いガンガン使いたいのだが、街中の駐輪場に気軽には駐輪できない自分がいる。エントリーモデルなので意識しすぎかもしれない。しかし、もし盗まれてからでは遅いので、どこまでのびのび使い倒すかが難しいところ、だと思っている。

うーん、かっこいい(笑

思いの外、のびのびで使い倒せない部分もあったが、大事に扱うためには仕方がない。これは自転車のせいでもない。少なくとも自転車に乗っている時は、楽しくサイコーの気分で駆けることができる、自転車に乗り出してからどこにでも自転車で行きたくなる。普通の人と距離感覚が変わってくるというのを実感している今日この頃、である。

2ヶ月走行した時点でのインプレを別記事に追加した。よければそちらもどうぞ。

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